妊娠中?出産してから?DHAサプリを摂るタイミング

「頭をよくする栄養素」と思われがちなDHAですが、最近は赤ちゃんにとっても重要な栄養素として知られるようになってきました。

粉ミルクへの配合も当たり前になり、妊婦さんや授乳中のママさん向けのDHAサプリも、数多く販売されています。

DHAサプリを摂るタイミングや飲む期間。赤ちゃんに対する効果などを詳しく紹介していきます。

いつからいつまで?赤ちゃんのためのDHAサプリ

理想は妊活中、妊娠初期から摂り始める

理想を言えば、DHAは妊活中(妊娠前)から積極的に摂りたい栄養素です。なぜかというと、赤ちゃんの脳や脊髄、目は妊娠初期に作られるからです。

脳・脊髄といった中枢神経系は妊娠4~8週目、神経細胞が多く集まる目は妊娠6~10週に完成します。

妊娠に気付くのは、妊娠検査薬を使えば妊娠4~5週目、つわりなどで気付く場合は妊娠7~8週目くらいです。つまり「妊娠した!」と分かったときには、赤ちゃんの脳や脊髄はかなり出来上がっているのです。

また、女性の身体の中で育つ受精卵も、早い段階でDHAを必要とします。ですから、充分なDHAが存在する環境下で受精卵が育っていけるよう、DHAサプリは妊活中から摂るようにし、遅くても妊娠初期には摂り始めるようにしましょう。

授乳期が終わる(卒乳)まで続ける

早くから摂り始めたいDHAサプリですが、ママが飲むのを止めるのは卒乳後にしましょう。

DHAはママの身体から母乳に移行します。ママがDHAをたくさん摂れば、赤ちゃんがDHAたっぷりの母乳を飲むことが出来ます。

離乳食の進み具合は赤ちゃんによって様々。食事の練習と言える離乳食を食べている時に、DHAを多く含む魚類を赤ちゃんがたくさん食べられるとは限りません。

このため、ママがDHAサプリを摂り、DHA豊富な母乳を赤ちゃんが飲めるようにしておきましょう。

必要な摂取量は?DHAの含有量をチェック

厚生労働省が推奨する1日の摂取量

厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準(2015年版)の摂取目安は以下のようになっています。

DHAなどのオメガ3系脂肪酸の目安量

  • 成人男性が2.1g(2,100mg)
  • 成人女性1.6g(1,600mg)
  • 妊婦・授乳婦は1.8g(1,800mg)

オメガ3系脂肪酸

魚由来のEPA・DHA・DPA。亜麻仁油、しそ油、えごま油などに含まれるα-リノレン酸がオメガ3系脂肪酸です。α-リノレン酸は身体の中でEPAやDHAに変化します。

ただ、発表されている推奨量はオメガ3系脂肪酸の合計値です。2010年の食事摂取基準では、DHA・EPAの推奨摂取量は1,000mgとなっていたので、それを目安に補っていきましょう。

日本人は平均約300mg不足している

日本人は魚を食べる文化を持ち、アメリカ人の4倍の量のEPAやDHAを摂取しているといわれています。

しかし、実際にアメリカ人の4倍も摂取している人がいる一方で、肉メインの食生活だったり、過度なダイエットが原因でDHAが大幅に不足している人もいます。摂れている人と摂れていない人の差が大きい栄養素です。

普段魚をあまり食べない食生活を送っている方は、積極的に魚を食べるようにするか、サプリを活用して、不足しないように補っていきましょう。

1日300mg以上のDHAを摂れるサプリを選ぶ

DHAサプリを選ぶ際は、最低でもDHA300mg以上を配合されているものを選びましょう。

妊婦・授乳婦のオメガ3系脂肪酸全体の推奨摂取量は1.8g(1,800mg)です。普段あまり魚を食べない方であれば、DHA含有量の多いサプリを選び、しっかり不足分を補わないとなりません。

DHAの胎児への働き

DHAは脳や脊髄、目の成長、発達、細胞の維持に重要な働きをします。胎児は妊娠4~11週で重要な器官が形作られて、その後、どんどん発達していきます。

赤ちゃんは成長に必要な栄養素をママからもらって育ちます。必要な栄養素を必要なだけ赤ちゃんが得られるよう、ママはバランスよく栄養を摂取するようにしましょう。

DHAはママにとっても嬉しい栄養

DHAは赤ちゃんにとって大切な栄養素であると同時に、ママにも嬉しい栄養素です。

DHAをはじめとするオメガ3系脂肪酸には、血栓を防いだり、血中の悪玉コレステロールを低くしたり、脳梗塞や心筋梗塞といった血管障害を予防する役割があります。

また、代謝を促すので、産後のダイエットにも効果的です。

オメガ3系脂肪酸にはα-リノレン酸(体の中でEPAやDHAに変化する脂肪酸)、EPA、DPA、DHAがあります。これらはママ自身のためにもなりますから、積極的に摂っていきましょう。

葉酸サプリとセットで始める

胎児の障害リスクを低減させる葉酸

葉酸は、妊娠中に不足すると、胎児の二分脊椎という先天性の奇形リスクが高まることが知られている栄養素です。

厚生労働省も、妊娠中はサプリ等の健康補助食品による葉酸摂取を推奨しています。

葉酸は、赤ちゃんの脳や脊髄といった中枢神経形成時(妊娠超初期)から必要です。妊活中から始めるのが理想的ですが、妊娠が判明したらスグにサプリを飲み始めるようにしましょう。

胎児の脳の発達、発育に関わるDHA

葉酸が胎児の中枢神経の発達に欠かせない栄養素であると同時に、DHAも脳や神経組織をつくるのに欠かせない栄養素です。

赤ちゃんの健全な発育のために、葉酸とDHAは不足させてはいけません。毎日バランスの良い食事を摂るのが難しいなら、サプリを活用して確実に補いましょう。

ママの身体の中を栄養素の宝庫にしておけば、赤ちゃんの発達に必要な材料に困らなくなります。赤ちゃんが大切な器官を存分に発達させられるよう、ママは自分の栄養状態を、しっかり意識しなくてはなりません。

まとめ

DHAは、妊娠超初期の脳や神経系の形成や発達に必要となるため、妊娠したらスグにDHAサプリを飲み始めるのがベスト。理想を言えば、妊活時から補っていると妊娠超初期の段階にも間に合わせることが出来ます。

胎児の障害リスクを低減するために必要な葉酸サプリを始めるタイミングで、DHAサプリも飲み始めると良いでしょう。

そして、妊娠中に飲み始めたDHAサプリは、卒乳まで続けるようにします。これは、DHAが母乳から赤ちゃんに届けられるためです。

妊娠発覚から授乳が終わるまで、DHAサプリを続けることで、赤ちゃんの発育に必要なDHAを不足しないようにしてあげましょう。

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